1、 日本語図書文献の分布概況
上海図書館において日本語コレクションの品種が多いだけでなく、類目もかなり揃っている。日本図書館界訪問者からよい評価をされている。ある日本大学の教授が「院生を連れて上海図書館で実習をしたい」とまでおっしゃった。さらに国内の他所の省や市の大学教授が単独又は学生を連れて、遠いところにもかかわらず、上海図書館へ日本語文献を探しに来て、大抵満足に帰った。
上海図書館の日本語のコレクションは大きく図書、新聞、雑誌、視聴覚資料、科学技術文献(主に、日本の特許や科学技術文献速報である。上記二種文献の検索方法は特殊で、従来の図書館検索手段によるものではなく、文献自身が持っている検索システムによるためである)五つに分けられる。ここでまず、最も複雑である上海図書館の1949年以後所蔵した日本語図書資料を紹介することにした。
2、日本語図書
上海図書館において、日本語図書の所在が図書資料の刊行年により決められている。其の所在は、日本語開架図書閲覧室(一部分日本国の個人や機関から寄贈した図書が約500冊寄贈図書閲覧室に、一部の年鑑やハンドブック、百科事典などの参考書が1,000冊あまり参考閲覧室に配置)、総合閲覧室、徐家匯蔵書楼となっている。そのため、利用者はまず、自分が必要とする図書がどこにあるかを知らなければ、上へ下へと奔走して苦労する。さらに、蔵書構成の歴史が複雑であるため、日本語の検索方法も雑多になり、複雑であった。書誌索引による検索、コンピューター(CD―ROMを含む)での検索、カード目録の検索などがある。また、日本語には漢字と仮名があり、特殊な文字と漢字コードを持つから、中国語環境下の入力と目録をするとき、どのコードの漢字を使用するかという問題が存在する。図書館仕事での問題は利用者が検索するときも出ており、検索において、キーワードの漢字がどういうコードを使うかという問題になった。
3、各閲覧室に配置されるそれぞれの日本語図書の説明
① 開架の日本語新書:その部分の日本語図書は四階の外国語文献資料閲覧エリア内の日本語図書閲覧室にある。極一部図書を除いて、開架される図書は基本的に2001年以後の新書で、1万冊あまりある。また、同閲覧室にて、当月新書を約500冊開架するコーナーがある。今月整理した最新日本語図書を利用者に知らせるために特別に設けたものである。この閲覧室にあるすべての日本語図書は館内のコンピュータ端末から検索できる。
② 1949~2001年の日本語図書:主に上海図書館の書庫内に収める日本語図書約20万冊を指す。これらの図書は総合閲覧室にて利用できる。さきほど述べたように日本語の特殊性により、総合閲覧エリアの日本語図書の検索は「A」のコンピューター検索ができる部分と「B」のカード目録しか検索できない部分に分ける。
A、コンピューター端末で検索できる部分の蔵書(1999年 – 2001年);1999年は上海図書館の日本語整理部署がコンピュータで日本語図書を処理し始めた年であるため、其の年に到館した1996年の図書も含んでいる。そして、1999年に到館した日本語図書は必ずこの上海図書館日本語蔵書データベースの検索システムにある。
B、カード目録しか検索できない部分の蔵書(1999年以前の部分)其のうち、1974年前の日本語蔵書(约2万2千800册)は中国の劉国均十進分類法による分類された図書である。1974年9月から上海図書館は到館するすべての図書(もちろん日本語図書も含む)を中国図書館図書分類法で分類し始めたため、カードの分類検索も二通りある。
4、日本図書の検索
上記に記述されたように、日本語図書の検索手段が二つに分けられる。一つは館内のコンピューター端末での検索、もう一つは従来のカード目録と書誌目録での検索
①、 館内コンピュータ端末での検索
上海図書館日本語書誌データーベースがすでに2万あまりの図書が入力されている。さらに毎月500冊ほどの進度で増えている。
検索方法は、まず上海図書館ホームページに入る,→日本語版 →利用案内 →和書書誌,直接以下のアドレスを持って、アクセスしたほうが確実)。http://search.library.sh.cn/riwen-jp/
このページの説明に従ってアクセスしなさい。
上記の説明したごとく、日本語漢字コードが中国語環境での処理が難しいため、当データベース検索システムがGBKコードを採用したため、また館内に設置されたコンピュータ端末に設定されている漢字コードと違う。したがって、検索するとき、漢字の入力に特に注意すべき。例えば、『日本経済史』という本を検索するとき、日本語「経済」と中国語“经济”の文字が違うから、もし、図書の書名を全部入力すれば、次のようなメッセージが出る。
[本次检索未命中记录.] (今回の検索で該当する情報はありません)
もし、中国語と日本語と同じ漢字である「日本」を使って検索すれば、2千冊あまりの条目が出る。その場合、分類検索を勧める。上記と同じ図書の場合、中国図書館図書分類法から、適当な類目番号“F131.39”が見つかる。そして、検索システム内の図書分類法検索を選択し、“F131.39”を入力すれば、20冊だけの図書が現れ、20冊から自分がほしい図書を見つけるのは簡単である。利用者が中国の図書館図書分類法体系に詳しくないはずなので、そばにいる上海図書館員の援助をもらってください。または館員に中国の図書館図書分類法を借りて、自分がほしい図書の類目を見つけるのも方法のひとつである。
②、 カード目録検索
1999年前の図書を借りたい場合、一階の目録ホールの隅にある日本語図書カード目録ボックスで検索する。日本語図書カード目録ボックスは総合閲覧室の出入り口の傍に設置されている。日本語図書カード目録は“書名”、“著者”、“分類”の三つの検索方法がある。書名と著者が仮名の場合、50音順で並び、漢字の場合、中国の簡体字の筆順により並べられている。分類の場合、1974年前が劉国均十進分類法により、その後の図書は中国図書館図書分類法により配列される。
5、日本語図書の貸出
館蔵内容:上海図書館館蔵日本語原版図書(一部の工具書を除き)
サービス形式:基蔵書庫閉架自助閲覧、4階外国語閲覧区で開架貸出
読書カード:参考貸出サービス
開放時間:月曜日:13:30―16:30(参考閲覧も含み)
火曜日―日曜日:9:00―16:30(参考閲覧も含み)
国定祝祭日:月曜日:13:30―15:30
火曜日―日曜日:9:00―15:30
注意事項:
日本語図書の検査はIPAC検索の中で行ってください。早期の日本語図書は総合閲覧室の入り口に置かれているカード目録を利用してください。
(上海図書館読者サービスセンター参考館員 鮑延明 提供 )