国際図書館連盟(IFLA)は2024年5月27日に、2024国際プロモート賞各賞のノミネート状況について発表し、上海図書館が実施するイマージョン読書(RPR)プロジェクトが「特別ノミネート賞」に輝きました。国際図書館連盟(IFLA)は、図書館や情報機関およびそのユーザーに恩恵をもたらす重要な国際機関であり、現在は150以上の国に1,500名の会員が所属しています。毎年選考される国際マネージメント賞は、IFLA国際図書館連盟「図書館管理およびマネージメント」部門が発案した賞で、2002年から始まりました。今回上海図書館が受賞した「特別ノミネート賞」は、2017年に初めて受賞した以来4回目のIFLA国際図書館連盟マネージメント賞関連の賞となります。
国際図書館連盟(IFLA)のイマージョン読書(RPR)プロジェクトに対する評価は非常に高く、国際図書館連盟管理やマネージメント専門委員会国際図書館マネージメント賞評価チームは、「上海図書館の『イマージョン読書』プロジェクトは、オリジナリティに富んでおり、古典文学作品に新たな息吹を吹き込む企画である。様々な役柄を持つサスペンス・シナリオにより、参加者は読書に没入することができ、3時間相互に役を演じ合う中で、ゲームと読書が上手にリンクされており、それにより大衆全般とりわけ若者の古典文学への興味を高める効果がある。比較的低い創作コストや合理的なコスト戦略は、このプロジェクトが持続性と拡張性を有していることを示しており、他の図書館や学校でも推進できるとともに、さらに多くの読者が同プロジェクトから恩恵を得ることが可能と考えられる。情報が細分化され、深く読むことが衰退しつつある社会的背景がある中で、上海図書館が古典に回帰することを促し、読書を深める面で有益なモデルを創出した。将来的に、上海図書館がデジタル化したイマージョン読書の空間を構築し、国や地域を越えた読者らが互いに交流を図りながら読書を楽しめるよう働き掛けることを期待できる。」と語っています。
2022年9月に上海図書館東館が正式に開館することにより、イマージョン読書(RPR)プロジェクトは上海市民に向けて無料で予約ができるようになっています。このプロジェクトサービスを、2024年4月までに、すでに100回ほど実施しており、およそ700名の読者が参加しました。現在、このプロジェクトにより体験できるのは、「モンテ・クリスト伯」、「紅楼夢」、「千里江山図」、Metabase(メタベース)版の「青春の歌」、「林海雪原」、「紅岩」など合わせて10作品あり、南京図書館など中国全土の図書館で同サービスが展開されています。
イマージョン読書(RPR)テーマ閲覧室
メディアによる報道の様子
イベントの様子