2022年2月22日、上海図書館(上海科学技術情報研究所)は、新設された東館で、当該図書館の新たなロゴマークと、東館新設のために特別招待したアーティストらのリストを発表しました。
新しいロゴマークは、以前のロゴマークの形状を継承した三角形ですが、さらにシンプルで平面化されたデザインです。風になびく船の帆のような模様は、上海図書館が抱き続ける初心と変革を恐れない思いを表現しており、大読書時代へと航海を進めてゆくイメージです。このロゴマークには、大読書時代における理解つまり上海図書館がこの先を進むために実践してゆく「知性(intelligence)」、「包容(inclusiveness)」、「相互連携(interconnection)」という3iモデルチェンジ戦略を意味しています。
ロゴマークの柔らかいアーチ形の模様は、本をめくるイメージを象徴しており、一番上には、本から飛び立つ小鳥のようなデザインが施されています。これは、知性が満ちることと自由を謳歌することの関連性を示しており、具体的には、上海図書館がこの先伝えてゆく成果や経験、未来を思い見る知性の発展、テクノロジー文化により読者に提供してゆく簡便でスマートな、そしてイノベーションされたサービスを意味しています。
ロゴマークが左右対称になっており、2色の異なるブルーで描かれていることは、陽光に照らされた大樹に棲む鳥をイメージしています。これは、上海図書館が本館および東館双方が協働して発展してゆき、公共サービスとしての読書の推進と専門的な図書館情報サービスの両面に配慮しつつ、あらゆる年齢層と多元化された情報のニーズを思い量りながら包容力のある環境を創り出すことを象徴しています。
新たにされたロゴマークには、知性、包容、相互連携における戦略により、上海図書館を斬新なスマート複合型図書館へと導く意味もあります。上海図書館館長である陳超氏は、新しいロゴマークにはシンプルかつ躍動を感じるラインがデザイン用いられ、これは東館の斜めに切り出された現代彫刻のイメージと調和していることについて述べ、さらに、上海図書館はあたかも大海原で、一つひとつの情報の孤島を結び合わせるとともに、人、空間、メディア、コンテンツそして情報を連動させることに力を傾け、すべての川が海に辿り着くように、それらが最終的に一つの紙およびデジタルの読書媒体に流れ込みながら融合し、実際の空間での体験、クラウド端末を使ったインタラクティブなやり取り、館員の創意工夫やスマートツールを利用した双方向の大読書時代とする、と説明しました。
上海図書館の新しいロゴマークは、デザイナーである陳幼堅氏が指揮し、全体のビジュアル・アイデンティティ・システムは、上海の文化的発展に詳しい中国本土のデザイナーである沈浩鵬氏が手掛け完成させました。
今回の発表会では、「東館新設特別招待アーティストリスト」も公表され、中国内外の著名なアーティストらが、東館の建設を皮切りに、図書館の特性を踏まえた造形を施し、美術的な美しさを読書空間と融合させることに貢献しました。建設現場に臨んだ地元上海の芸術家である申凡氏は、当該館員との対談の中で、芸術とは過去、現在、未来を結んだもので、読書もそうであり、芸術は世界を映し出し、読書もまた同じであると語り、加えて、芸術の中における読書、そして読書の中で感じる芸術は、国際級の図書館がもたらすべき責任であり、大読書時代においてすべてのものを結び合わせるためにするべき行動でもあると述べました。