新興テクノロジーとも言えるVR/AR技術は、バーチャル世界に浸り、利用者が互いに疑似体験ができ、多分野の情報を融合化した3次元の仮想環境をクリエイトすることを可能にしますが、このテクノロジーが今、図書館サービスをサポートする役割を担っています。VRゴーグルやヘッドセットなどの機器を使い、ユーザーが図書館での使用にカスタマイズされた仮想体験を楽しめるこのサービスは、デジタル時代の図書館資源とサービストランジションのニーズを融合させた高度なコンテンツとなり、利用者にとって図書館入館への敷居が、以前と比べ低くなっている現状です。
中国における図書館のVR技術の応用分野は主として、ナビゲーションガイドにおける疑似体験、検索可視化システム、バーチャル読書の3つに分かれており、バーチャル資源によるナビゲーションガイドおよび仮想読書という2方向の応用が進められています。
バーチャル・ナビゲーションガイドにより、図書館で遊覧や旅行を疑似体験できるよう、3Dバーチャル施設の構築やバーチャル資源プラットフォームを完備した図書館建設が重要テーマとなります。仮想読書は、バーチャル化された資源を体験するサービスですが、図書館は「VR古典朗読」や「AR未来へ」体験などのテーマを軸とした拡張現実サービスの提供を試みています。
今のところ中国では、公共図書館の多くがVRおよびAR技術を応用した体験イベントを実施しており、中国聯合通信のマルチAR技術におけるサポートにより、いわゆる三網(電気通信網、インターネット通信網、有線テレビ網)の融合が後押しされ、ARの技術が幅広い仕方で5G時代を推進させてゆくことになりそうです。
出典:丁家友、郭欣宜 障がい者に配慮した公共図書館サービスの VR/AR技術応用[J] 図書館フォーラム2021/5/6