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中国図書館だより
図書館東館の屋内写真が初めて公開-市民への「読書メッセージ」募集を行なう

  2021年11月30日、上海図書館は初めて一般向けに東館の屋内写真を公開し、巨大なガラス張りの窓から明るい太陽の光が降り注ぎ、未来への希望をイメージさせる読書空間が映し出されました。大ホールの床には、新聞上の文字にインスピレーションを受けた特殊なデザインが施されており、近くで見ると句読点なども描かれているのが分かります。

 建築面積がおよそ11.5万平方メートルの上海図書館東館は、中国国内の単体の図書館としては最大となります。建物は地上7階、地下2階で、6,000席近くの座席を有し、毎年200余りの講座を開くことができ、その他数多くの各種学術イベントなどの文化的需要に対応することもできます。そして一年間で、来館する読者およそ400万人を受け入れることのできる施設になると見込んでいます。

 この図書館は読書をメインとした文化空間となる、20余りのテーマ館とカテゴリーエリアを擁しています。1階に足を踏み入れるとサービスホールがあり、そのほかにも児童エリアや障碍者向け読書サービスエリアが設けられ、文化デザインやコーヒー文化体験なども楽しめるコーナーもあることが分かります。2階は、新聞や雑誌を読めるエリアで、年配者が楽しく時間を過ごせるデザインとなっています。3階にある開放的な広場のようなエリアは、所蔵書籍と読書空間を一体化したフロアで、小型スペースの研究討論室や自習室および読書体験エリアも有しています。4階と5階は、それぞれ「読者、読書城、読書の世界」、「文章、芸術、科学から学ぶ」を理念とし、地方文献や家系図、文化著名人による自筆原稿、世界の都市、法律、音楽、演劇、芸術、デザイン、先端科学技術、健康、生活といったテーマを特徴としています。7階の展覧エリアは、図書館所蔵品を常設展示してあり、2,000平方メートルを超える広さの「シティ・レセプション」には、中国全国民読書推進をテーマとしたエリアが広がり、上海市全ての読書会に向けて開放されています。上海社聯国際学術センターと上海通志館の分館が4階と6階にそれぞれ設置されており、情報に関わるスマート・プラットフォームの構築、協同創新、資源の収集と拡散構築および都市シンクタンクの建設といった運営を展開してゆきます。

 2021年11月30日、上海図書館は上海市民に対して「読書メッセージ」を公募し、読書で得た体験や読書がもたらした理解や期待感など読者の思いを広く求めました。「読書メッセージ」は2021年12月1日から31日までを募集期間とし、個人による創作を条件としています。文字数は10文字程度とし、筆やペンなどを使ってA3もしくはA4の大きさの紙に書いた後に写真か動画を撮り、そのデータを上海図書館ホームページにある「読書メッセージ」イベントページから送ることができます。

(出典:2021年12月7日 解放日報:作者 施晨露)