5GやAI(人工知能)、ビッグデータ、ARやVRなどの技術が進歩するにつれ、中国の多くの図書館ではイノベーションモデルを積極的に利用する動きが活発になり、スマート図書館を構築し、多様化する読書シーンを提供する分野での進展が見られています。
「ブラック・テクノロジー」がもたらす斬新な体験
最近、中国国家図書館、中国図書進出口(集団)総公司およびファーウェイが、北京で戦略協力協定を結び、5G、パノラマビデオ、ホログラフィック・ディスプレイといったイマージョン・プログラムを活用した読書体験を提供するというビジョンを発表し、その先駆けとして、中国国家図書館5G新読書体験センターが、年内にも竣工する予定です。
中国国内各地の図書館は、先を争うかのように「ブラック・テクノロジー」を運用し始めており、読者に手軽さ、リアルさ、面白さに富んだ読書体験を提供しています。一例として、江西省図書館の新館には、ワイヤレスセンサーネットワークの顔認証、VR体感ゲームなどを利用した、最先端の技術が用いられており、読者は顔認証システムを通りながらワイヤレスセンサーネットワーク貸出システムに入ることにより、手にしている図書をスキャンすることができるため、足を止めることなく貸し出しが完了するという、この画期的な技術を体験することができます。
大いに発揮されるスマートロボットの能力
AI(人工知能)により、難題に思えた貸し出しと返却に関わる複雑な作業や、蔵書の検索や点検といった仕事が効果的に解決されつつあります。
図書館の閉館後、ロボットは自動で図書の点検作業を始め、1時間に2万冊の図書をスキャニングし、この蔵書点検作業が終了すると、図書館館員に報告書を提出するシステムが使用されています。この「図客」スマート図書点検ロボットは、世界初の図書点検ロボットで、全自動で非常に精確な点検作業を行なう機能を備えており、今のところ、武漢大学、同済大学、華東師範大学などの大学図書館で使用されています。
重慶市九龍坡区では、スマート化された24時間セルフ図書館が登場し、顔認証システムや読者の行動分析を行なうシステムが導入されており、無人かつ24時間リモート管理された図書館が現実化しました。
多面的サービスに心配り
新型コロナウイルスにより、閉館を余儀なくされた武漢市図書館が再スタートを切り、サーモグラフィ体温測定器やオゾン図書消毒機、紫外線図書消毒機といったハイテクノロジー設備が、読者の安全を守るために貢献しています。
近頃は、読書の形がフラグメント化しているため、遼寧省図書館は携帯端末に対応する「スマートコード」サービスを立ち上げ、読者がWeChat公式アカウントから、お目当ての書籍に関連した情報を簡単に手に入れるツールを提供しています。このツールにより、読みたい書籍の電子版を自動システムで探し出し、いつでもどこでもオンラインで読むことができ、オーディオ資源から関連情報を配信することもできるため、オーディオブック形式の書籍を選択す