シティ・スタディとは、政府が主体となり地域も一体となって各級の中核図書館を利用して創設された、自動化システムやRF技術を採用している24時間開放型のセルフ公共図書館です。シティ・スタディは、紙媒体の資源とデジタル資源、読書サービスおよび市民サービスをそれぞれ融合させた施設で、伝統的な読書拠点を現代風にアレンジし、さらに公益性を図った公共機関と言えるでしょう。
1、温州市、昆明市の「海外普及」モデル
温州市は、2014年4月に市で初めてとなるシティ・スタディの建設を開始し、現在ではすでに52もの異なるデザインのシティ・スタディが街のあちこちに点在するようになっています。2019年の始めに温州市は、イタリアの友好都市プラトに欧州で第一号となる「シティ・スタディ」を建設しました。
温州市以外にも、たとえば昆明市はシティ・スタディを海外への架け橋的な役割と見なし、カンボジア、ミャンマー、インドネシア、タイ、マレーシア、ラオスなどの6か国11か所に、寄付による「昆明スタディ」を相次いで建設し、海外に在住する華僑らに大きな反響を巻き起こしました。
2、揚州市や重慶市における「市民サービス」モデル
揚州市は、シティ・スタディを図書館の延長線上にある施設と位置づけし、市民の身近な存在となるよう働きかけた結果、シティ・スタディ「揚州市現象」が起こりました。
重慶市においても、簡便なサービスを提供する街の中心的シティ・スタディとするために、シンプルな設備を導入し、使いやすいインターフェースにより読者の操作を簡単にし、まさに「簡便」さを体現させた施設となりました。
3、洛陽市の「シティ・スタディ+ビッグ・イベント」モデル
洛陽市は、公園、広場、学校などのエリアに24のシティ・スタディを建設しており、救急箱や傘などを配備した市民サービス施設となっています。それに加え洛陽市は各種の読書推進イベントを組織的に開催しており、河洛詩歌大会、古典朗読大会といった多くの読書イベントブランドが確立されています。
出典:郭纓 劉漢鑫,シティ・スタディ発展の現状およびそのモデル研究,新閲読,2020(07):55-56