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中国図書館だより
公共図書館が公共文化サービスシステム構築に積極的な役割を果たす

 近年、公共図書館が公共文化サービスシステムの構築に積極的に関わる傾向が見られ、施設空間のデザインやイベントプランなどの面で進展が見られています。

施設の融合

 図書館と公共文化施設の融合とはつまり公共図書館内にそのほかの公共サービス施設が敷設されていることを言います。例えば、公共図書館の機能を持つ国家図書館や、本館の南エリアに建てられた「国家典籍博物館」がそのよい例と言えるでしょう。現在建設中の上海図書館東館の館内には上海通志館が設置され、閲覧資源の集積化と多方面にわたる相互作用が及ぼす効果を見込んでいます。

 この種の融合はさらに、既存の公共施設内に図書館(図書室)を設置し、その施設内で図書の閲覧サービスを提供することも可能にします。江蘇省蘇州市に点在するいくつかの図書館は孔子廟などの霊廟や旧時教育機関として用いられた書院、児童センター、課外教育センターおよび病院内に敷設されており、設置する場所を選びません。

 こうした融合化は、図書館とその他の文化施設を一体化させ、市民が様々な公共文化サービスを多面的に受ける有意義な場を生み出すことを可能にしています。

サービスの融合:図書館の文化イベントの多様性

 公共図書館が総合施設に様変わりし、公共文化サービスを提供することにより、読書サービスに人々の大きな関心が向けられています。

 上海図書館は読書「マラソン」コンテストを展開しており、この活動期間中の既定の時間内に一定量の本を読む任務を参加者に課し、読書が一種のイベント化された社会活動として認識されるよう働きかけています。他にも、図書館内で音楽や映画を視聴したり、ボランティアと絵や対聯を学んだりするといった公共文化イベントはこうした目的に資する活動と言えるでしょう。

 

出典:金武剛、公共文化サービスシステムにおける図書館イノベーション研究、「図書館」2109(5)