中国図書館だより
ディスレクシアへのサービスに関する系統的研究が中国で始まる
ここ最近、中国の図書館界はディスレクシアに注目しており、華南師範大学が「ディスレクシアへの図書館サービス研究」を発表したのを契機に、中国全体としてディスレクシアへのサービスを系統的に研究するプロジェクトが進められています。
この研究には以下の3つの分野を順次展開してゆくことが含まれています。
一つ目として、英国、米国、カナダ、北欧、日本、シンガポールといった先進国や先進地域の図書館によるディスレクシアへのサービスの現状を掘り下げて研究することにより、中国の公共図書館による同分野での進展を図るための参考としてゆきます。
二つ目として、中国におけるディスレクシアに対する認知度やサービス範囲について調査を実施し、この分野のサービスを広げてゆきます。
三つ目として、先進国や先進地域におけるディスレクシアへのサービス体系を指標とし、中国の図書館がこの分野のサービスを全面的に推し進めてゆく計画を徹底的に研究及び討議します。
こうした研究は、中国の図書館が特殊性を示すグループへのサービス理論を確立また展開してゆく助けとなります。同時に、この分野における研究及び実践はディスレクシア児の読書能力を改善するための助けとなり、家族や一般大衆に対して「ディスレクシア」という概念を認知させることを可能にするだけでなく、この潜在的な問題への関心度を高めることにもなります。