「図書館+書院(旧時中国の教育機関)」モデルは、現代の図書館と古代の書院を融合させたもので、伝統的な書院の素朴で閑静なたたずまいと、現代図書館の豊富な蔵書資源を利用し、中国の優れた伝統文化を広める一助となっています。
2010年当時、「図書館+書院」モデルの展開はゆっくりとしたもので、大連図書館と白雲書院、吉林省図書館と長白書院の二か所に限られていましたが、2014年を過ぎたころからさらに多くの図書館が同モデルを採用し、山東省図書館と尼山書院、福建省図書館と「正誼書院」、黒竜江省図書館と「長江書院」、海南省図書館と「海文書院」などが相次いでお目見えしました。
1、大連図書館+白雲書院
2000年に設立された中国において最初の「図書館+書院」モデルで、当初は6歳から12歳までの児童を対象に、中国古代の古典を学ぶカリキュラムが多数開催されていました。2001年8月には「白雲講義」と「白雲吟詠謳歌団」が発足しました。
2、山東省図書館+尼山書院
この書院は孔子誕生の地である曲阜市の尼山に位置しているため、中国伝統文化の重要なランドマークと言えます。2014年に山東省図書館が省内のその他の図書館に先駆けて「図書館+書院」のサービスモデルを取り入れ、「尼山書院」を重点とした公共文化ネットシステムの基礎を据えることにより、公共図書館によるサービス領域を広げた結果、中国全土に波及効果をもたらしました。
3、福建省図書館+正誼書院
2015年に「正誼書院」は伝統的な書院の面影を残したまま一般開放され、そのレトロな建築スタイルは古風ながらも優美な不雰囲気を醸し出しており、読者は古典書籍の閲覧を満喫することができます。この書院は「国学優良課程+国学講座+伝統文化活動+伝統文化展覧会」といった多種多様なスタイルを併せ持ったイベントを展開しており、同書院はこれまでに国学線装教本セットを編成し、その内容は多方面にわたる伝統国学古典に及んでいます。
出典:蒋倩 張雪静、公共図書館が優れた中華伝統文化を広める―「図書館+書院」モデルの考察、図書館学刊 2019(9)