中国図書館だより
中国におけるテーマ図書館建設モデルが映し出す特色と見通し
昨今、中国においてテーマ図書館の建設が勢いを増し、活気づいているのは大変喜ばしいことです。現時点での中国におけるテーマ図書館建設モデルを以下の5つの点にまとめることができます。
1、 政府機関による出資により図書館は管理され、資源、経費、人員に関しては図書館が総括的な管理を行なう。このスタイルは幅広く採用されており、例えば2004年、広東省東莞市に創設されたマンガ図書館は、同手法により中国大陸で初めて運営されたテーマ図書館である。
2、 個人、企業、基金もしくは民間団体などの社会的影響力が、クラウドファンディングや寄贈、単独出資、ベンチャーキャピタルによる投資などを通し設立および運営管理を行なう。例えば「99人ライブラリー」は、クラウドファンディングによって設立されたオリジナリティとアートに富んだ読書空間となった。
3、 政府機関は専門分野の業界を通し購入業務を行ない、テーマ図書館全体或いは一部の業務を委託管理する。購入する項目には、図書館建設、日常の運営管理、特定のサービスなどに関わるものが含まれる。例えば北京レンガ読書空間は、北京の甎塔胡同中国重点文物保護建造物である万松老人塔にあり、4万冊近い「北京の人による書物、北京の人について書かれた書物、北京で書かれた書物」がそれぞれ文献として収められている。
4、 政府機関単独の出資により建設を行ない、社会的影響力となる側が人員や財力などを運用しテーマ図書館の運営をサポートする。
5、 政府機関が社会的影響力と共同でもしくは契約により、テーマ図書館を構築し運営する。例えば浙江省温州市のサービス図書館は、2004年に温州市図書館と温州市のアパレル団体が共同で建設した図書館施設である。
出典:図書館報9月18日