中国図書館だより
2018上半期、中国図書館界で話題となったトレンド
2018年の上半期、中国国内の図書館は「イノベーションの展開」をめぐり、数多くのホットなニュースが話題となりました。その一部を以下に挙げ紹介します。 最新型閲覧空間の構築 図書館のイノベーションサービスモデルは、業界を超えた融合や提携を模索し、公益文化が地域、学校、企業、機関へ及ぶのを後押しします。 多くの図書館は、「信用+閲覧」によるネット上の貸出モデルをスタートさせました。読者はネット図書貸出を通し、選んだ書籍を宅配で配達してもらい、図書館のスマート返却ボックスを利用することもでき、貸し出しと返却を簡便に行なうことができます。このシステムにより、図書のネット貸出利用が大幅に増加し、図書館蔵書の流通スピードも高まり、読者層も大きく広がりました。 図書館?それとも本屋さん? 図書館と書店の融合は、読者が店内で書籍を借りることを可能にしただけでなく、大学図書館や出版社、図書のサプライヤーも、オリジナルな書店と閲覧スペースを創設することができました。 最近開放された王府井図書館は、北京市王府井書店の6階に併設されました。読者は、貸出証の提示により、規定範囲内で書籍を選び、王府井図書館で会計をすることができ、このように購買権を読者に移譲することにより、「個人注文」の貸出を実現しました。北京以外でも、太原、南京、無錫などいくつかの都市にある新華書店でも、新書を借りて読むことができ、返却も自由にできます。 公共図書館が児童の閲覧をサポート 児童図書は図書市場の人気図書であり、児童の読書は、読書を広めてゆく重要な経路と言えます。児童書の体裁は、一般書籍のそれとは比較できませんが、貸出数が多いため、公共図書館は児童書を重要視しています。たとえば、杭州図書館のように、400万人民元(1元=約16.5円)の書籍購買経費のうち、半分は児童書に使用されており、絵本、学習書、ピンイン書などが、貸し出しの上位を占めています。 深セン図書館が、「児童インテリジェントバンク」閲覧プロジェクトを打ち立てたり、湖南図書館が、貸出読者ランキングを設けたり、独創的な手法で児童の読書をサポートしています。さらに、江蘇省鎮江市図書館のように、児童書閲覧ポイントを学習塾カリキュラムに換えるなど、児童の読書を奨励しています。 |
出典:http://www.cnepaper.com/zgtssb/html/2018-07/17/content_39_2.htm |