中国図書館だより
紙媒体図書が依然として支持される
「2016年上海市民読書調査報告」が、8月5日に発表されました。上海市民読書調査が実施されたのは今年で6回目です。今年の調査報告では、従来の紙媒体を支持する人が依然として多いもののデジタル媒体を支持する人との差は去年より縮まったこと、紙媒体の読書時間が去年よりわずかに増えていることなどが明らかになっています。 「読書の主な目的」は、上位5項目が2013年以降変わっておらず、「知識を増やすため」と「趣味や関心事について調べるため」が4年連続で上位2位を占めました。ことのことから、実利を追及することなく、読書本来の目的にかなった仕方で安定して自主的に読書をしている市民が多いことが分かります。 「よく読むジャンル」の上位2位は文学、歴史の順で、これも長らく変わっていません。日常生活、心理、経済・管理なども、年によって入れ替わりはありますがこの数年毎年上位にランクインしています。一方、例年通り下位になったのは、自然科学(医薬・衛生とポピュラーサイエンスを除く)や工学・技術でした。 紙媒体とデジタル媒体の読書時間配分を見ると、5年連続で紙媒体がデジタル媒体を上回りましたがその差は毎年縮まっており、デジタル媒体で読む時間の方が多いと答えた人の割合は毎年増加しています。紙媒体とデジタル媒体を合わせた毎日の平均読書時間の上位2位は、2年連続で「15-30分」と「30分-1時間」でした。また、紙媒体の毎日の平均読書時間を見ると、「15-30分」と「30分-1時間」の2項目が全体の54.33%を占めており、この割合は2013年以来最も多いものとなっています。 紙媒体の方がデジタル媒体より読書に適していると答えた人の割合は57.98%で、紙媒体の方が依然として支持されていることが分かります。その理由として最も多かったのは、じっくり読めるというものでした。 一方、デジタル媒体は、端末の製品技術が向上しているものの問題点も明らかになっています。一番多かったのは目が疲れるという点でした。また、昨年第3位だった「情報が多く雑然として整理しにくい」という点が、今年は6.54ポイント上昇し第2位に浮上しています。 来源:新民晩報 紙媒体図書が依然として支持される リンク: http://xmwb.xinmin.cn/lab/html/2016-08/05/content_19_3.htm |