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中国図書館だより
「図書館+」―他業種と連携して提供する新サービスで全民読書の新モデルを実現
  4月23日の世界図書・著作権デーが先日終わったばかりです。中国各地の図書館はこの数年、世界図書・著作権デーの時期に全民読書推進に向けた多種多様な記念イベントを次から次へと実施しています。その中でも、幾つかの図書館が実施する他業種と連携した革新的新サービス「図書館+」は、次第に市民やメディアからの注目を集めるようになっています。
     「図書館+書店
  「図書館+書店」は、「読者が選書、図書館が購入」というサービスです。読者(図書館利用者カード所持者)は、書店で読みたい本を見つけたら図書館利用者カードを提示して書店からその本を「借り」、読み終わったら図書館本館・分館サービスシステム加入の図書館に「借りた」本を「返却」します。つまり、読者が「借りた」本を図書館が買い取り蔵書にするのです。このサービスは、図書館従来の図書購入・編成・収蔵・貸し出し・返却モデルを一新し、読者を図書調達員に、書店を図書館分館にするという画期的なもので、現在、内モンゴル自治区、武漢市、山東省、広東省、浙江省などの公共図書館で実施されています。

  「図書館+書店」 写真ソーズURL:http://hzdaily.hangzhou.com.cn/hzrb/html/2016-02/26/content_2202868.htm      
     「図書館+地下鉄」
  現在、中国の地下鉄では3種類の図書館サービスが提供されています。一つは、武漢市の地下鉄などで実施されているセルフサービス図書館(図書自動貸し出し・返却機)です。この図書館(貸し出し・返却機)では、図書貸し出し・返却と地下鉄乗車両方の機能がある図書館利用者カードを作成できます。二つ目は書架・書斎型図書館で、南京市や上海市の地下鉄で実施されています。南京市地下鉄では書斎型図書館サービスが提供されており、乗客は図書館利用者カードを所持していれば図書を借りて読むことができます。また、上海市地下鉄では書籍雑誌棚が設置されており、乗客はこの棚にある書籍や雑誌を無料で読み、地下鉄降車時にどの駅でも返却することができます。最後にオンライン図書館を挙げることができます。代表的なものは中国国家図書館と北京京港地鉄有限公司が北京市の地下鉄で共同実施する「M地下鉄・図書館」で、乗客は車内にある二次元コードを端末で読み取ることにより、文字の伝承や普及、文化、民族といった内容を扱ったオンライン電子書籍を無料で読むことができます。「M地下鉄・図書館」は、国際図書館連盟(IFLA)の第13回国際図書館マーケティング賞を受賞しています。

 
「図書館+地下鉄」 写真ソーズURL:http://jiaotong.youbian.com/news27953/
    その他複数業種とも提携
  他業種との提携サービスである「図書館+書店」や「図書館+地下鉄」は、すでに中国各地で根付いています。今では、書店や地下鉄以外の業種との提携サービスを手掛ける図書館も少なくありません。例えば浙江省紹興市では「図書館+ケーキ店」が実施されており、ケーキ店来店客は二次元コード読み取り後、図書館が店内に設置した書棚から図書を借りて読むことができます。また同省温州市では、図書館と建設銀行による「24時間セルフサービスミニ図書館」が実施されています。これは、地元特有のテーマに関する図書を定期的に選別し、銀行の敷地内で貸し出す24時間対応図書館です。その他にも、「図書館+喫茶店」、「図書館+飛行場」、「図書館+ショッピングセンター」など多様なサービスがあります。さらに、繁華街や商業圏で提供するサービスだけでなく専門的な研究機関やサービス機関などと提携したサービスも開発し、サービス能力向上に注力する図書館もあります。例えば重慶市では、図書館が裁判所と提携し「知的財産権関連法分館」サービスを提供しています。これは、「図書館+裁判所」であり、裁判官、訴訟当事者、企業従業員、一般市民などのそれぞれ異なるニーズに対応できるものとなっています。
 

「図書館+ケーキ店」写真ソースURL:http://www.sxtv.com.cn/folder88/folder44/2016-04-30/45946.html
 
「図書館+銀行」写真ソースURL:http://wzed.66wz.com/html/2015-01/12/content_1760798.htm

「図書館+裁判所」写真ソースURL:http://www.cqlib.cn/ctdt/201604/t20160427_31966.html