中国図書館だより
国家図書館、オンライン「閲覧室」を初開設 古書関連グッズをネットで販売
中国国家図書館は、タオバオオンラインショップの試運用を2016年4月に開始しました。中国の図書館がオンラインショップを開設するのはこれが初めてです。ただし、販売するのは図書ではなく、所蔵古書から題材を得て作られた図書関連グッズです。
オンラインショップにアクセスすると、斬新で洗練された文化製品が目に飛び込んできます。例えば、トップページでは模様や文字がはっきり彫り込まれた甲骨を見ることができますが、これは本物の甲骨ではなく、国家図書館所蔵の甲骨を模倣して作られた手作り石けんです。干支十二支の形をした12種1組のもので、表面にはそれぞれ異なった模様や文字がデザインされています。国家図書館は、世界の甲骨収蔵量の四分の一に当たる甲骨3万5651個を所蔵する、甲骨所蔵量世界最多機関です。そのため、国家図書館にとって甲骨はシンボルであり、甲骨石けんも人々の注目を集める一種の名刺だといえるのです。 また、お姫様、孫悟空、状元(科挙最終試験の主席合格者、独特の被り物があった)など古代の服装をした子供のイラストが可愛く上品に描かれたバスカード、木製筆立て、すかし入りしおりなどの日用品もアップロードされており、古典的な趣や風格を漂わせています。これらのイラストは、国家図書館が所蔵する清時代の宮廷戯曲演出組織・升平署の彩色人物画録を基に描かれたもので、表情の精密な描写や衣服・刺繍の再現が特色です。 オンラインショップは今のところ試運用段階ですが、約60種の商品を販売しています。5月中旬には正式運用を開始し、国家図書館が開発し所有する製品を全てアップロードする予定で、製品は最終的に約150種になる見込みです。 図書館にとって、オンラインショップは最後の「閲覧室」であり、利用者に知識や古書を伝える特殊な手段だといえます。国家図書館タオバオオンラインショップはまだ始まったばかりです。今後、利用者がオンラインショップを通して国家図書館をよく知るようになること、また、製品が図書館と利用者との架け橋となり、利用者は製品を購入することで図書館をいわば家に持ち帰ることができるようになることが期待されています。 |