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第10回中日国際図書館学セミナーを開催

 2014年10月18日~19日、上海市図書館学会及び日本図書館研究会共催による「第10回中日国際図書館学セミナー」が日本京都大学で開催されました。上海図書館からは、読者サービスセンター主任劉燕氏、購入編目センター職員章騫氏、情報諮問研究センター職員徐宏宇氏がセミナーに出席しました。日本からは公共・大学・学校図書館の職員、図書館学教育研究者、出版関係者など70名近くが参加しました。また、日本にて研修中の上海図書館情報諮問研究センター職員黄吉も駆けつけました。

 今回のセミナーでは、「第一線の読者:利用者サービスを考える」というテーマのもとに活発な議論が交わされ、上海図書館職員の三人もそれぞれ発表を行いました。劉燕、徐宏宇両氏は上海図書館の読者サービスにおける新技術利活用の状況をそれぞれ紹介し、章騫氏は中国の図書館が担う社会教育の役割を、歴史、現状及び展望の観点から整理し、発表しました。その他、日本国立国会図書館の小澤弘太氏が「国立国会図書館サーチの最新動向」、桃山学院大学の山本順一氏が「アメリカの国立図書館のひとつのイメージ:コミュニティに寄り添う図書館」、同志社女子大学嘱託講師石橋進一氏が「枚方市立図書館の「利用」は減少に転じたのか?」、日本図書館研究会事務局長前田章夫氏が「日本の公共図書館における障害者への図書館サービスの現状と課題」をテーマにそれぞれ興味深い発表を行いました。

 セミナーでは、中日両国の図書館関係者が第一線の具体的な新しいサービスや問題点を報告し合い、積極的な討論が展開されました。日本図書館研究会理事長の京都大学教授川崎良孝氏からは、「中日国際図書館学セミナー開催以来、最も成功したセミナーの一つではないでしょうか」とのコメントを頂きました。

「中日国際図書館学セミナー」は、上海市図書館学会と日本図書館研究会との国際交流協定に基いて、2001年度からスタートしました。3年を1サイクルとし、1年目は中国、2年目は日本で開催し、3年目は調整の1年になっています。本セミナーは、中日両国の図書館界における学術や文化交流を促すのみならず、両国国民間の友情を深める役割も果たしています。

 上海図書館は本セミナーで受けたアドバイスを活かし、より多くの日本の図書館界関係者に上海の発展を知ってもらうため、上海図書館ウェブサイト日本語版、特に「新空間・新サービス・新体験」に関する内容をいっそう充実させる方向へ努力を重ねていく所存です。

セミナーのプログラム等は、日本図書館研究会のウェブサイト(第10回国際図書館学セミナー:http://www.nal-lib.jp/events/seminar/2014/kokusai-invit.html)で見ることができます。