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中国図書館だより
中華民国時代の文献保護の活動に関する米中シンポジウムが北京で開催
 6月19日から21日まで、中国国家図書館が主催する中華民国時代の文献保護に関する米中シンポジウムが北京で開催されました。会議には中華人民共和国文化部副部長楊志今氏、中国国家図書館館長周和平氏、中華人民共和国国家公文書局局長、中央公文書館館長楊冬権氏、中国社会科学院栄誉学部委員、教授楊天石氏が出席しました。さらに米国国会図書館アジア部主任邵東方氏など北米地区の図書館代表、国内の図書館界の方々、および公文書管理システムと歴史学界の専門学者約70名も会議に参加しました。会議ではさらに、中国と北米地区の20名近くの図書館館長や学者にテーマ報告をしていただき、米中カナダ三国の50名余りの図書館界代表が集い討論を行いました。

 中華民国時代の各種の文献資料は、種類が豊富で数も多く、広範囲に分散しています。国内の公また個人の数多くのコレクションのほか、北米、東アジア、欧州など国外の各図書館、公文書館、博物館にもたくさんの中華民国時代の文献資料があり、その中には国内では希小な資料が数多く含まれています。たとえば米国国会図書館、米国国家公文書館、スタンフォード大学フーバー研究所などの機関が所蔵する中華民国時代の歴史公文書は早くから学術界により重視され、この時期に関連する重要な点を研究する際の貴重な史料となっています。

 概算統計によると、中国国家図書館が所蔵する中華民国時代の図書の数は88万冊に上ります。広範な奥深い調査研究を基盤として国家図書館は「中華民国時代の文献保護計画」を立て、2012年から開始しました。これは「中華古書保護計画」に続く、業界が共同で参加する文献保護プロジェクトで、全国を挙げて、中華民国時代の文献保護と整理を全国的な規模で行うこと、並びに文献を発掘し利用することを目ざしています。「2012年度中華民国文献の保護作業計画」に基づき、国外における中華民国時代の文献保護の交流と協力を(開始する)ことは、今年の中華民国時代の文献保護計画の重要な面です。近年、米中図書館界の交流と協力が増え、関係は一層緊密になり、第五回米中図書館活動会議も双方で開かれ、古書の保護、デジタル資源の共同構築などの方面ですでに多くの協力プロジェトを始めています。

 本会議は中国国家図書館が企画する「中華民国時代の文献保護計画」をメインテーマとして扱い、サブテーマは主に中華民国時代の保護計画の紹介、国外の中華民国時代の文献所蔵の現状、中華民国時代の文献の保護と整理および発掘、中華民国時代の文献の学術研究など、中華民国時代の文献保護活動の重要な点を取り上げています。会議の目的は図書業界が中華民国時代の文献保護活動に対し、広範で奥深い研究と討議を行うことを促進すると共に、国内外の図書館界がこの分野において交流と協力をさらに強めることです。そして米中双方が最新の動向と発展状況を把握し、より具体的な協力プロジェクトを立て、さらに中華民国時代の文献保護計画の全面実施と奥深い研究を促進し、共に人類の文化作品の保護に貢献することを目ざしています。