清朝末期の大物実業家である盛宣懐氏の歴史的資料が2008年11月26日~12月8日にかけて上海図書館において一般公開される。また国内外の専門家に配慮し合わせて1億字を超える16万点近い盛宣懐氏の歴史的資料が上海図書館のローカルネットワークにアップロードされており閲覧が可能である。
1844年に江蘇省常州市で生まれた盛宣懐氏は一代で財を築いた近代中国の実業家である。盛宣懐ファイルとは1850~1936年に記録された盛宣懐ファミリーに関する史料である。内容は政治、社会、経済、外交、貿易、軍事、金融、教育など幅広い分野にわたっている。また辛亥革命、洋務運動、義和団運動、日中戦争、中国と諸外国の通商条約に関する折衝といった近代中国における重大な歴史的事件にも関係している。
中国近代史の研究において「盛宣懐ファイル」は専門用語となっている。近代中国の発展を研究するための非常に貴重な資料である。膨大な情報量を整理するため上海図書館は12年を費やしてきた。
今回の展示会では盛宣懐ファイルのうち156点の史料が公開される。これらの史料には有名人や歴史に関する言い伝えが数多く含まれている。例えば孫文氏が国民党の資金を調達するために盛宣懐氏に送った献金依頼状、盛宣懐氏が中国赤十字社の初代社長を務めていた時に受け取った手紙、清朝末期に洋務運動の推進者であった張之洞氏が盛宣懐氏と共に開鉱した江西省の蘋郷炭鉱に関する文献、盛宣懐氏が創立した中国初の大学である「南洋公学」に関する文献などがある。
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