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翁同龢の貴重な肉筆書432点を公開——上海図書館が「翁氏蔵書の里帰り十周年記念および

   今年は、清代末期の優れた官僚であった翁同龢(1830‐1904)の生誕180周年にあたり、また翁氏蔵書の里帰り10周年にもあたります。この、政府の支持により図書館が歴史文献の買い上げに成功した事例は、国内外の文化界に大きな影響を与え、今でも各界で注目されています。この優れた人物を記念して、中国の図書館蔵書に関わる歴史において重要な文化事業を思い起こし、翁氏蔵書の上海図書館帰属後における文化的価値と影響力を振り返るために、上海図書館と上海市古籍保護センターは2010年6月17日午後、上海図書館において、翁氏蔵書里帰り10周年記念および「上海図書館蔵‐翁同龢未出版肉筆原稿」出版検討会を開催しました。

 十年前、上海図書館は上海市人民政府の協力と支持のもと、450万米ドルを出資して、米国に流出していた翁氏蔵書をついに祖国に戻しました。買い取られたのは、宋代刻本11種、元代刻本4種、明代刻本12種、清代刻本26種、名家写本と著作原稿27種で、合計80種542冊の貴重な書籍です。宋代刻本の「集韻」、「邵子観物内外篇」、「長短経」、「思雕足本鑑戒録」、「会昌一品制集」、「丁卯集」、「施顧注蘇詩」、「嵩山居士集」などはすべて国内外で惟一の本となっています。

 中国近代史において、たいへん大きな影響を及ぼした書家、そして蔵書家でもあるこの政治家を記念して、上海図書館は上海科学技術文献出版社による出版の「上海図書館蔵‐翁同龢未出版肉筆原稿」を特別編集し、432点の貴重な翁同龢の肉筆原稿をまとめて公開しました。この本に公開されている翁同龢の筆跡は、それぞれ異なった時期の書法芸術の成果を示しており、この清代後期の書家の研究において直接手に入れる事のできる重要な資料となっています。また、その芸術的価値は言うにおよびません。このたびの検討会で「上海図書館蔵‐翁同龢未出版肉筆原稿」が、正式に出版発表されました。