天気が歴史を変える
- 筆者: ローラ・リー
- 定価:35元
- ISBN:978-7-5439-3560-0
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- 内容の紹介:
天気の変化は人類史上何度も歴史の流れを変化させてきた。
広島に原子爆弾が投下されたのは現地の天気が快晴であったからだ。当初の投下目標であった小倉市の上空には厚い雲があったため不幸にも第二候補であった長崎市に二つ目の原子爆弾が落とされた。
ナポレオンはロシアに侵攻したものの寒さに敗れた。この敗戦よりナポレオン帝国は崩壊へと向かいロシアはヨーロッパの強国としての地位を固めていくことになった。
雹(ひょう)がフランス革命を加速:経済危機に直面していた18世紀のフランスは大きな負債を抱えていた。春の水不足と雹が収穫物を台無しにしてしまい飢えた人民が武器を取って蜂起したことがフランス革命につながった。
濃い霧がワシントンの命を救う:1776年8月22日、アメリカ独立戦争におけるロングアイランドの戦いでワシントン将軍率いるアメリカ軍は壊滅的な敗北を喫する危機にあったが濃い霧のおかげでアメリカ軍は安全に退却することができた。霧が後の反攻の伏線となったわけである。
スペインの無敵艦隊が嵐に遭遇:英西戦争の後期にスペインの無敵艦隊は嵐に遭いほぼ壊滅した。無敵艦隊の敗北によりスペインは海上における優位性を失い以後も回復することはなかった。イギリスが海上を支配するようになる。
海風が西洋文明を救う:紀元前480年のサラミスの海戦において数の面ではペルシャ艦隊が絶対的に有利であったがギリシャ海軍は風力に関する知識を応用することによって劣勢をひっくり返した。こうしてギリシャ文明が発展することになった。
戦場や投票箱における勝負は天気によって左右されることがある。西洋ではナポレオンやヒトラーがロシアの厳寒気候に屈した。東洋では諸葛亮が霧に乗じて草船借箭の計を用い、風を利用して赤壁の大火を引き起こした。こうして諸葛亮は赤壁の戦いに勝利し三国鼎立の形が定まった。
本書は55の天気にまつわる話題を提供しており天気を題材とした会話も弾むこと間違いない。